「氷点下のテント生活が被災者のメンタルを追い込む」、トルコ・シリア大地震でNGOパルシックが報告会

地震で建物は完全に崩壊した。がれきの下に埋まった人の救助は難航する。シリア北部で2月7日に撮影(写真はパルシック提供)地震で建物は完全に崩壊した。がれきの下に埋まった人の救助は難航する。シリア北部で2月7日に撮影(写真はパルシック提供)

シリアへの支援はわずか

シリア側の被災状況も深刻だ。アサド政権と反体制派の間で紛争が10年以上続くシリアは、国際社会から経済制裁を長く受けている。また被災地となったシリア北部は、反体制勢力も支配する地域。ここに住んでいる人たちはかねてから苦しい生活を強いられていた。そこに大地震が襲った。

パルシックと提携するシリアのNGOのスタッフは訴える。

「トルコの被害はシリアより甚大だが、トルコには世界各国から支援が入る。しかし(シリア紛争の影響から)シリアへの支援は小さい。被災者のニーズに対応しきれていない」

トルコやシリアで長年活動するパルシックは地震が発生してすぐに、緊急支援をするための寄付の募集をスタートさせた。すでに1000万円以上を集め、現地に2回送金した。

パルシックはトルコでは現地にもつネットワークを使い、支援が必要なところを特定。食料や水、防寒具などを買って被災地に持っていく計画だ。またシリアでは透析用や重傷者への手術用の医療品といった緊急性の高いものを優先的に購入し、現地の病院や透析センターに届けている。地震で足をけがした男性は、パルシックが寄付した医療品で手術を受けることができたという。

「パルシックには独自のネットワークがある。そこと連絡を取り合い、現地のニーズを見極めながら、支援が行き届かないところに支援を届けたい」と大野木さんは話す。

パルシックが届けた支援品に集まる子どもたち。トルコ・カフラマンマラシュで2月12日に撮影(写真はパルシック提供)

パルシックが届けた支援品に集まる子どもたち。トルコ・カフラマンマラシュで2月12日に撮影(写真はパルシック提供)

シリア北部で2月16日に、医療品を届けに行くパルシックの提携団体の職員(写真はパルシック提供)

シリア北部で2月16日に、医療品を届けに行くパルシックの提携団体の職員(写真はパルシック提供)

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