難民に2回なったコロンビア人女性「青春が詰まったベネズエラに帰りたい」

コロンビア・メデジンのスラム街コムナ13に住むアルバ・ラグーナ・メンデスさん(右)と友人のベッティさん(左)。2人は、記者が持参した日本のスナック菓子を美味しそうにほおばっていた

街は麻薬だらけ

幸せな生活も束の間、ベネズエラは最大268万%(2019年1月の数字を年換算)のハイパーインフレに見舞われた。メンデスさん一家は2018年に2度目の難民となり、今度はベネズエラから母国のコロンビアへ逃れた。

26年ぶりにコロンビアに戻ったメンデスさんが暮らすのは、メデジンのスラム街コムナ13だ。スラム街の一部はコロンビアで最も有名な観光地のひとつで、300を超えるグラフィティアートや屋外エスカレーターが観光客を呼び寄せる。

一見すると、魅力的な観光地のように映る。だが現実はそうではないようだ。「路地に一歩入れば薬物が密売されている。公園に行けばマリファナを吸う少年が山ほどいる」とメンデスさんは現状を訴える。

夜になるとギャングの抗争が起こることも珍しくないという。2人の息子をもつメンデスさんは「息子たちが薬物に手を染めないか心配でしょうがない」と不安を吐露する。

心の故郷はベネズエラ

コロンビアがこんな状況だからこそ「私の心の故郷はベネズエラ」とコロンビア人のメンデスさんは言い切る。人生の半分以上をベネズエラで過ごしたメンデスさんは、仕事も結婚も育児も、すべての思い出はベネズエラとともにある。

「また国境を越えるのは大変だけど、ベネズエラの状況が落ち着いたら一刻も早く“故郷”に帰りたい」とメンデスさんは切実に願う。

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