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ルワンダの首都キガリに、質の良い教育をウリにする私立の小学校がある。貧困層の子どもが通うウムチョムイーザ学園だ。少数教育にこだわる同学園のシナメニ・マファギ・チャールズ理事長(73歳)は「小学校の教育が中学・高校や大学への進学、また就職先にも影響する」と語る。
ウムチョムイーザ学園の最大の特徴は、ひとクラスの児童を30人と少数にすること。児童一人ひとりに目が行き届くようにする。ルワンダの公立の小学校はひとクラス70人がざらだ。
ルワンダの中学・高校の就学率は42.5%にとどまる(日本は101~103%)。だがこの学園の小学校の卒業率は100%に達するという。
これを実現するのが、児童に対する細かいケアだ。たとえば児童が3日間にわたって欠席した場合、教師はまず、児童の家に電話をする。連絡がつかないときは自宅を訪問。欠席した理由が病気なのかどうか、様子を確認する。病気の場合は公立の病院に連れていくことも。こうしたケアが留年や退学を防ぐ。
ウムチョムイーザ学園の2つ目の特徴は、ルワンダだけでなく、近隣の国々から教師を集めていることだ。「こうすることで教師同士が切磋琢磨し、授業の質が上がる」とシナメニ理事長は説明する。
ルワンダは人口わずか1300万人の小さな国。「(人材がより豊富な)ウガンダ、タンザニア、コンゴ民主共和国などから良い教師を募ることで良い教育ができる」とシナメニ理事長は言う。公立の学校では、ルワンダ国籍をもつ人しか教師になれない。私立の強みは優秀な外国人の教師を雇えることだ。
ウムチョムイーザ学園は将来、既存の幼稚園と小学校に加えて、中学・高校、大学まで設立し、全生徒の数を2000人まで規模を大きくしたい考えだ。中学・高校の事業計画はすでに作成済みで、約4000万円が必要と算出する。
校舎の建設のために1.5ヘクタールの土地も確保している。だが「建設費用の確保に難航している」とシナメニ理事長は心情を吐露する。ルワンダの土地利用法には、キガリ市内で3年連続で利用されていない土地を取り上げるとの規定がある。土地を取り上げられないためにも、中学・高校の設立を急ぐ。