7月28日が投票日だったベネズエラの大統領選。
注目は、野党統一候補のエドムンド・ゴンサレス氏が現職大統領のニコラス・マドゥロ氏を破るかどうか。直前の世論調査ではゴンサレス氏の支持が83%と、マドゥロ氏の10%を圧倒的にリード。勝てば、25年続き、経済を崩壊させた反米社会主義政権(チャベス、マドゥロ両政権)が倒れるはずだった。
ところがマドゥロ氏の息がかかった選挙管理委員会が発表した結果はマドゥロ氏の勝利(3選)。野党は当然、これを認めず、不正を追及する姿勢だ。ゴンサレス氏を支持する国民の大半は今後どう動くのかにも注目だ。
ベネズエラ全土では投票日の1日はカオスだった。ベネズエラ西部のタチラ州での投票所では有権者が政府系の犯罪グループに殺される事件も起きた。
投票日のようすを動画で振り返ってみよう。音声メディアでの解説はこちら。
ベネズエラ西部のポルトゥゲサ州のアカリグアでは、投票所の所長が、投票しにやってきた有権者らを投票所の中に通すのを妨害しようとした。激怒した有権者らが所長を殴ろうとしたところ、国家警備隊が救出に入ってきて、所長を外に逃がしたという
首都カラカスでは、投票所に並ぶ有権者らが「いまの政権は転覆する!」と歌のように叫び続けていた
米国フロリダ州タンパにいるベネズエラ人たち。彼らは反体制派(野党支持者)。 米国にいるため投票はできないものの、「自由なベネズエラ」を求めて路上でデモをする
開票データを置いていかず(ベネズエラでは投票所ごとに集計するシステム。ただ野党関係者は内部に入ることを許されなかった)、投票所から投票箱を持ち去ろうとする国家警備隊
大統領官邸に向けて抗議の行進をする有権者ら(カラカス)
投票所で開票結果を待つ有権者に発砲する国家警備隊。野党統一候補のゴンサレス氏は有権者に対して、開票の際に不正が簡単にできないよう投票所にとどまるよう訴えていた(ボリーバル州サンフェリックス)