海外に自分の居場所があった! コロンビア18年の日本語教師・羽田野香里さんの生き方

コロンビア・メデジンにオープンさせた日本文化センター「春のひなた」をバックにポーズをとる羽田野香里さん(中央)。左はニコラス・モレノさん、右は合気道を教えるアンヘリカ・ヒメネスさん

コロンビア人の居場所にも

「春のひなた」は無料の文化ワークショップを週末に開催している。テーマは折り紙、日本料理、着付けなど多様だ。近所の住民にとっては気軽に日本文化に触れる場で、毎週通ってくるリピーターもいるという。とりわけ人気が高いのが着付け体験で、ときには40人近くが参加する盛況ぶりだ。

日本文化のワークショップに参加した子どもが日本語にも興味を広げ、日本語コースを受講するといった相乗効果も生まれてきた。「春のひなた」はいまや、コロンビア人が日本に触れ、日本を深く知り、「日本好き」という共通項でつながるレアな場所だ。「文化の懸け橋になれば嬉しい」と羽田野さんは言う。

コロンビアへ移住して18年。羽田野さん自身の価値観も変わった。「(日本にいたころは)自閉的だった性格だったのに、外の世界へ関心が開くようになった。絵本の中ではなく、生身の人間や現実の世界も意外と面白いと感じるようになった。“絵本の外の世界”も好きになったら、自ずと生きやすくなった」(羽田野さん)

1 2 3