ganasサポーターズクラブ エッセーの会
  • 2021/01/03

自転車は地球上最強の乗り物!?

自転車
*この記事は「ganasサポーターズクラブ」の「エッセーの会」に参加されているパートナー/サポーターの方の作品です

あなたは普段自転車に乗るだろうか。私は家から最寄りの駅まで徒歩で40分かかるため、通勤で毎日自転車に乗っている。自転車は地球上最強の乗り物であることをご存じだろうか。

まず、自転車は公共交通機関と比べて時間的に自由だ。いつ出ようが構わない。地元にも最寄り駅行きのバスがあるのだが、田舎のため1時間に1本しかなく、朝の通勤で時間が合わない。たまに早く起きて、バスに乗ろうとしても「あと1分しかない!」とパンをかじりながら出ることもある。それに対して自転車はゆっくりとパンを食べてから出ることができる。融通が利く乗り物なのだ。

融通を利かすならば、車や原付などで行けばよいのでは。そんな声が聞こえてきそうだが、これにも持論がある。車や原付は排気ガスが出る。また、ガソリンが無いと走れないし、維持費も駐車場も必要。

一方自転車は何においてもエコだ。むしろ自分の力でこがなければ進めないのだから、自分の体を鍛えることにもなる。維持費がかからず、有毒なガスを出すことなく、前に進みながら自分を鍛えることができるのは自転車しかない。

鍛えたいならば、走ったり、歩いたりすればよいではないか。それはそうだが、何より時間がかかる。朝から40分もかけて歩こうと思ったら何時に起きなくてはならないのか…。朝が苦手な私は考えるだけで憂鬱な気分になる。

走れば速く着くかもしれないが、走るならばそれなりの格好をしなければならない。朝から汗をだらだらかきながら「おはようございます」と半そで短パン姿で出勤するアラサー独身女性を思い浮かべてほしい。鍛えるためとはいえ、ちょっと引いてしまうのではないだろうか。

それに対し、自転車は「程よい」のだ。何より車輪の存在は大きい。下り坂はこがなくても進むので、道によってはそんなに力はいらずに進むことができる。服装もカジュアルスタイルでいい。徒歩40分の道のりも10分ほどで着く。

「自転車で旅に出ると、自然と自信がついて人間が変わる」

そう語るのは、兵庫県議会議員である小池ひろのりさんだ。小池さんは1970年に砂漠やロッキー山脈がある北米大陸6000キロ(ロサンゼルスからニューヨークまで)を2カ月かけて自転車で横断した強者だ。他にも日本列島横断を当時(1979年)の日本最短記録である9日間21時間2分で走ったこともある。(ちなみに現在は6日間と13時間28分でギネスにも記録されている。)

小池さんはこれらのサイクリング経験から「私でもやればできる」という自信がついたという。それまではどちらかというと学校では目立つことができず、自分を表現するにはやんちゃするしかなく、自分に引け目を感じていた。しかし、自分で立てた自転車の目標を達成するごとに、「次はこれに挑戦しよう」とか、「少々しんどくても頑張ろう」と思えたという。

そんな彼のサイクリング自叙伝ともいうべき著書「請等一下!(チントンイ―シャー)ツール・ド・中国―自転車は素晴らしい・国境を越え限界を超えてー」の中では、中国横断をしながら、サイクリング仲間との絆や地元(中国)の人との心の交流が生き生きと書かれている。自転車好きはぜひ一度読んでみてほしい。

彼は著書の中で「自転車から学んだことは本当に多く、自転車が私を変えてくれた」と語っている。

乗り物の中でここまで「人生が変わる」ほどの物はあるだろうか。電車、バス、飛行機、車…。様々あるが、私は「自分の力で遠い距離まで行ける」点においても自転車が一番だと最後に伝えたい。

時に自力で国境をも超えられる自転車は、地球上最強の乗り物なのだ。さあ、人生を変えるかもしれない自転車に、あなたも乗ってみてはいかがだろうか。

(サポーター/Jun Hashimoto)

*この記事はganasサポーターズクラブのエッセーの会に参加するパートナー/ サポーターの方の作品です。
*ganasサポーターズクラブのエッセーの会では、エッセーの書き方を学んだりフィードバックしあったり、テーマについてディスカッションしたりして、楽しくライティングをスキルアップしています。
*文責は筆者にあり、ganasの主義・主張ではありません。