カンヌ映画祭のトロフィーは“エシカル”で! ショパールが発表

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2014年のカンヌ国際映画祭(5月14~25日 仏カンヌで開催)のパルムドール(最高賞)トロフィーは“フェア・マインド・ゴールド”(Fairmined Gold)製となる。トロフィーを制作するスイスの高級時計・宝飾品ブランド、ショパールが発表した。

フェア・マインド・ゴールドとは、コロンビアのNGO「責任ある鉱業連盟(ARM)」が定める基準を満たすエシカルな(社会や環境に配慮した)金のこと。小規模鉱山(1人当たりの生産量1日4グラム以下)が対象。ARMの基準は、品質、環境保全、労働条件、社会保障、取引条件など多岐にわたる。以下はその一例だ。

1)水銀やシアン化物など、毒性のある物質は、18歳以上の訓練を受けた大人のみが扱うこと。妊婦や、呼吸器に疾患のある人も扱ってはならない。

水銀を用いた金の精製は簡単で、費用もあまりかからない。このためアジアやアフリカの小規模鉱山で広く普及。労働者の健康被害や環境汚染の原因になっている。だが水銀の使用を即座にすべて中止するのは現実的でないため、ARMは、使用量を徐々に減らすことを提唱している。

2)15歳未満の子どもと労働契約を交わすことは禁止。鉱山労働の年齢について法律が定める場合はそれに従う。

3)フェア・マインドのあらゆるルールは、人種、性別、宗教、年齢、HIVステータス、性的指向などに差別的であってはならない。

4)金の価格は、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のものを基準とする。

5)記録と監査のために、フェア・マインド鉱物のすべての取引をARMのシステムに登録すること。

ショパールとARMは、コロンビアの小規模鉱山がフェア・マインドの認証を取得するためのサポートや、鉱山のあるコミュニティの支援にも取り組んでいる。ショパールのカール-フレドリッヒ・ショイフレ共同社長は「1000を超える小規模鉱山労働者の家族が、生産性や生産方法を向上・改善させた。複雑な情勢にあるコロンビアで、人々が持続的に発展し、社会・環境分野の教育や研修を受けられるようになっている」と話す。

ショパールは2013年から、ラグジュアリー産業の持続可能な発展を目指すプロジェクト「ザ・ジャーニー」を展開。今回のパルムドール・トロフィーもこの一環だ。

(西森佳奈)