支援か搾取か? 南スーダン・ディンカ族のヌード写真めぐり議論勃発

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南スーダンのディンカ族の写真がネット上で取引される問題をめぐり、アフリカ・オン・ザ・ブログで議論が起きている。これらの写真にはヌードも含まれ、価格は1枚600ドル(約6万円)以下。ガーディアンの7月16日付記事によると、被写体となったディンカ族の肖像権と肖像権を通じて子どもたちがいかに守られるべきかというのが焦点だ。

アフリカ・オン・ザ・ブログの編集者であるイダ・ホーナー氏は「写真家がディンカ族の写真を許可なし公開、売ることに私は疑問をもつ。被写体であるディンカ族に利益も配分されていない。もし彼らが自分たちの写った写真が無断で取引されていることを知ったとしたら、公開や売却を許可するだろうか?」と疑問を投げかけた。

議論の的となっている数々のディンカ族の写真を撮ったキャロル・ベックウィス、アンジェラ・フィッシャー両氏は慈善財団を立ち上げ、これまで撮り続けてきた写真を通してアフリカの少数民族などの伝統の保全と子どもの教育支援に取り組んできた。ディンカ族もその活動の対象だ。

ベックウィス氏は「世界中でシェアされた写真や本が被写体となったアフリカの民族にどんな影響を与えるか私たちは常に配慮してき30年以上にわたって、ディンカ族の信仰や儀式、生活様式、文化・伝統を記録してきた。その3割以上はすでに消えていった。未来のアフリカの人たちに自分たちの由来や祖先の信仰について知ってもらいたいと私は思っている」と話す。

ディンカ族は南スーダンで最大の民族。南スーダンの現大統領はディンカ族の出身だ。国内では、2番目に多く、副大統領を出しているヌエル族と政治的に対立しており、民族間戦闘が起きている。

ガーディアン、アフリカ・オン・ザ・ブログ両サイトのコメント欄、ツイッターに意見を投稿することができる。(髙濱翔平)