軍政に抗議し職場放棄し続けたミャンマー人女性、「今は家族への仕送りが一番大事」

飛行機のネックレスを身につけているエイプリルさん(32歳)。イニシャル「KR」が刻まれており、Khar Ra(カーラー)という、ミャンマーの著名な俳優からきている。2021年の軍事クーデター以降は反軍政活動を続けている。「Fly to freedom」という意味が込められている。「今の生活に希望はない。幸せでない。それでも正しいと思う道を歩み続けたい」(エイプリルさん)

月給の4分の1弱を故郷の両親に毎月送金するミャンマー人女性がいる。タイの古都チェンマイ在住のエイプリルさん(32歳)だ。2023年3月にチェンマイへ来るまで、軍政に抗議するため、勤務先だった国営ミャンマーエコノミックバンクの仕事をボイコットする市民的不服従運動(CDM)に参加していた。

軍政の下で働きたくなかった

エイプリルさんの出身地はミャンマー最大都市ヤンゴンのインセイン地区。キリスト教徒が多く住んでおり、彼女もその一人だ。

2021年2月1日に ミャンマーで軍事クーデターが起きたとき、彼女はミャンマーエコノミックバンクの職員だった。そのおよそ1週間後から、軍政に抗議する目的で銀行に行くのをやめ、職務をボイコットした。

エイプリルさんによると、ミャンマーエコノミックバンクの従業員の3割はボイコットした。「軍政の下で絶対に働きたくなかった」

国営銀行のスタッフだけでなく、省庁や国立大学、国立の病院などの職員も職務をボイコット。国立大学の学生も授業への出席をボイコットした。これをCDMと呼ぶ。

「国家反逆罪」の脅しも

CDMに参加していたエイプリルさんのもとに政府関係者からある手紙が届いた。数年前のことだ。

ここにはこう書かれていた。「指定の日数以内に復職しなければ、国家反逆罪に問う」という内容だった。

この手紙はただの脅しではない。政府はCDMに参加した職員のリストを保有している。何人かの職員は実際に捕まった。

命の危険を感じた彼女は、家族に被害が及ばないよう、エーヤワディ管区のマウビンなどにある友人宅を転々とする。その後、国外逃避を決意した。

避難先で使えそうなスキルを得る目的で、看護助手(ナースエイド)になるための研修を受けようとヤンゴンに戻ろうとした。だがインセイン地区の実家に戻るのは危険。転々としながら身を守り、3カ月の課程を修了した。「医療系の職種に応募する際に役に立つと考えた」(エイプリルさん)

エイプリルさんには、シンガポールに看護の仕事をするおばがいた。そこでナースエイドとして働こうと考えた。しかしミャンマー政府のブラックリストに載っていて、指紋も取られている彼女にとって、パスポートの取得は至難の業だった。

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