2014年上期に家を追われたのは550万人、難民総数はシリア・アフガニスタン・ソマリアの順

2014年1~6月に家を新たに追われた人は約550万人。内訳は難民140万人、国内避難民410万人。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が1月7日、「2014年上半期の統計報告書」のなかで明らかにした。背景には、中東やアフリカなどで収まらない紛争がある。

14年6月時点で難民を最も多く出している国(総数)はシリアの300万人以上。UNHCRが世界で支援する難民の23%を占める。これに続くのが、アフガニスタン270万人、ソマリア110万人、スーダン67万人、南スーダン50万9000人、コンゴ民主共和国49万3000人、ミャンマー48万人、イラク42万6000人。

難民を最も多く受け入れているのはパキスタンだ。同国の北西に位置するアフガニスタンの難民160万人が暮らす。以下、レバノン110万人、イラン98万2000人、トルコ82万4000人、ヨルダン73万7000人、エチオピア58万8000人、ケニア53万7000人、チャド45万5000人の順。

UNHCRによれば、難民の受け入れ数と国の規模(人口)を比べた場合、人口に対して最も多くの難民を受け入れているのはレバノンとヨルダンだ。また国の経済力と受け入れ難民数を比べると、エチオピアとパキスタンの経済負担が実質的に一番重い。

UNHCRの支援対象者(難民=1300万人、国内避難民の一部=2600万人、庇護申請者、帰還民、無国籍者)は14年6月時点で4630万人。13年末から340万人増えた。支援対象者のなかでシリア難民が最も多い。アフガニスタン難民が過去30年以上にわたって最多だったが、長引くシリア紛争で状況が変わった。