英語学習ブームは就活?それとも“恋活”? ティンダンに通うミャンマー人学生のモチベーション

インタビューに答えてくれたヤンゴンの男子学生2人。金髪でメガネをかけた学生は、いかにも“モテ”を意識していそう

「ティンダン」と呼ばれる習い事教室が、ミャンマーの都市部で増えている。ヤンゴンの英会話スクール「アクティブ・イングリッシュ」を訪ね、学生がどんな動機でこのティンダンに通っているのかを調べた。インタビューに答えてくれたのは全員男子。就職や留学に備えて通い始めた人ばかりだが、「英語を話せると女性にモテるからでは…?」と問うと、苦笑いする。男子学生がティンダンに通うのも、もしかしたら“恋活”なのかもしれない。

インタビューしたのはヤンゴン大学とヤンゴン経済大学の男子学生あわせて3人。アクティブ・イングリッシュを知ったきっかけを聞いたところ、3人ともオンライン広告だと答えた。フェイスブックでの広告などに惹かれて受講を決めたようだ。アクティブ・イングリッシュを他人にも勧めたいかという質問には、全員が「イエス」と回答。「先生が親切で友好的」「先生と議論できるのが良い」と3人とも口をそろえており、講師への満足度が高い。2カ月で4万5000チャット(約4500円)という授業料の安さも魅力だと述べた。

彼らが英語をティンダンで学ぼうと思った動機は何なのだろう。3人はそれぞれ、「将来留学する予定なので、それまでに英語力を高めたいから」「英語のニーズが社会の中で高いと思ったから」「就職の際に役立てるため」と述べた。日本の大学生も言いそうな答えだ。

しかし、ヤンゴン大の男子学生2人は「大学で、英語をしゃべれる学生は確かにモテる」とも話す。2人とも「自分が英語を学んでいるのは、モテるためではないよ」と述べているが…。

通訳をしてくれたヤンゴン大学の女子学生2人にも、「英語が話せる男性」について聞いてみた。1人はいまボーイフレンドがいないが、「未来の彼氏に英語力を求めるか」と尋ねたところ、「もちろんよ」と真顔で即答した。「英語を話せる人はカッコいい」「植民地時代の名残で、英語は特別なの。英語はキャリアアップにつながるから」と彼女は話す。もう1人の女子学生も、いまの彼氏は英語があまり話せないらしく、「もっとしゃべれてほしい」と漏らす。中国語や日本語を話せても魅力にならないとのこと。ミャンマーの恋愛市場での英語の地位は特別なようだ。

男子学生がティンダンに通って英語を勉強するモチベーションも、本当のところはモテることなのかもしれない。