「日本に恋をした」、フィリピン・ネグロス島の土産物屋で“和の美しさ”が光る!

SUBIDA店内で竹の貯金箱を持つマイクさん(フィリピン・ネグロス島南部のバレンシア)

フィリピン・ネグロス島南部のバレンシア町にある土産物屋「SUBIDA」。貝殻や木材など自然の素材を使った、シンプルな商品が多い。ひときわシンプルなのが「Bamboo Coin Bank」(竹の貯金箱)だ。オーナーのマイク・アラノさん(40)は「僕の祖母は日本に恋をした。この貯金箱は日本と関係があるんだ」と語る。

マイクさんによると、祖母は日本を訪れたことがあるという。祖母は和文化のシンプルな美しさに夢中になり、バレンシアの祖母の家の庭には鳥居の形をした門や、仏塔の形をしたランプがある。祖母はまた、生け花がとても好きだった。祖母はシンプルな貯金箱(竹製ではない)を愛用していたという。

祖母の家の庭や和文化を見て育ったマイクさん。彼が思いついたのが「竹の貯金箱」だ。マイクさんはさらに、祖母の好きだった「生け花」と竹の貯金箱とを融合させた。貯金箱にお金が貯まったら底をこわしてお金を出す。ひっくり返すと花びんとして使えるようにした。「竹の貯金箱」は150ペソ(約330円)。月に5~10個売れるという。

「僕はいつも、日本の人々と文化に感動させられている。現代でもテクノロジーがすごいよね。僕も世界に誇れる商品をつくりたい」と語るマイクさん。「13歳の娘は今、日本食にはまっている。彼女は家族で日本食レストランに行くとき、いつも喜んで飛び跳ねるんだ」。日本好きは脈々と受け継がれている。

SUBIDAには、日本らしさを思い出させる竹製品がほかにもある。Takarang(竹馬)や、竹製のWhistling Kasing(ヘリコプターが飛ぶような音が鳴るコマ)だ。マイクさんは「竹馬は戦前に日本の貿易商が持ってきた」、店員のテレシト・バロさん(21)は「コマは日本の占領時代に広まった」と言う。竹馬は890ペソ(約2000円)、コマは299ペソ(約660円)だ。

バレンシアの祖母の家にある鳥居。左側に立つのがマイクさん

バレンシアの祖母の家にある鳥居。左側に立つのがマイクさん

ネグロス島南部バレンシアにある土産物屋「SUBIDA」の入り口

ネグロス島南部バレンシアにある土産物屋「SUBIDA」の入り口