フィリピンならどこでもある「屋外カラオケ」、意外とぼろ儲け!?

1004遠藤さん、写真②22218100_425535314508585_1498105976_oタガログ語の歌を熱唱する男性。お酒もかなり入っている(フィリピン・ネグロス島ドゥマゲティ)

フィリピンには屋外のカラオケが街の至る所にある。これを「ビデオケ」と呼ぶ。市場の一角や、道に面した空き地のようなスペースに、テレビと椅子が置かれている。ネグロス島南部の場合、値段は2曲5ペソ(約11円)と異常に安い。ネグロス島ドゥマゲティ市のビデオケ店主、ダイアナ・ダーナさん(42)は「ビデオケは屋台の隣にある。だから儲かるの」と語る。

ビデオケはほとんど、屋台や商店、食堂に隣接している。ダイアナさんの本業は一品料理を売る屋台。ビデオケは副業だ。ビデオケを訪れる客は、屋台で一品料理とアルコールドリンクを注文する。一品料理は50ペソ(約110円)、ドリンクは90ペソ(約200円)だ。ビデオケ料金とビデオケ店内での飲食を合わせた売り上げは1日950ペソ(約2100円)。本業の屋台の売り上げは1日1000ペソ(約2200円)なので、副業は本業と同じくらい儲かっていることになる。ドゥマゲティ市の最低賃金は1日およそ350ペソ(約770円)ということを踏まえれば、飲食の仕入れコストを引いても悪くない。

ダイアナさんは、ドゥマゲティ市中心部で屋台とビデオケを始めて6年になる。その前は日本の福岡と千葉のバーで働いていた。だがフィリピンに残した3人の子どもが恋しくなり戻ってきた。日本のバーで料理をした経験もあったため、フィリピンに戻って屋台を始めた。

ドゥマゲティ市から車で40分ほどのサンボアンギータ町にあるサリサリストア(日用品を売る小さなコンビニ)は、水曜市にあわせてビデオケのスペースを設ける。多いときは1日で100人が訪れるという。店主は「商店に隣接しているから、ビデオケの受付をする人件費もかからない」。

フィリピンのビデオケは、歌声が屋外にまで響き渡るオープンな店が少なくない。毎週水曜日にビデオケにやって来るという初老の男性は「フィリピン人は歌が好きだよ。ビデオケに友人と集まっておしゃべりし酒を飲むのも大好き」と語る。そう言い終わると、気持ちよさそうにタガログ語の歌を歌い出した。

道に接するビデオケ屋

道に接するビデオケ屋