ソフトウェア開発するベナンの若者、「教育と買い物の未来を変えたい!」

「SOARエンジニアリングでソフトウェア開発の経験を積んでいきたい」と語るホウンソウノウさん(ベナン・コトヌーで撮影)「SOARエンジニアリングでソフトウェア開発の経験を積んでいきたい」と語るホウンソウノウさん(ベナン・コトヌーで撮影)

「ソフトウェアの力で、ベナンの生活水準を向上させたい」。この信念のもと、ベナン・コトヌーのIT会社「SOAR エンジニアリング」で仕事をするソフトウェアエンジニアがデジレ・ホウンソウノウさん(25歳男性)だ。ホウンソウノウさんが開発中なのが、教育系ソフトウェアと飲食店で事前に注文できるアプリの2つだ。

教育系ソフトウェアの名称は「EspEduc(フランス語の造語。英訳すると“Education Space”=教育空間)」。特筆すべきは、ベナンにある134の大学すべてと、高校約700校(ベナンの高校数は約1200校)への導入が決まっていることだ。2019年に稼働する予定。日本の大学でも導入されている在学生向け情報共有サイトに近い仕組みだ。

EspEducの導入は、大学側、教師、学生、保護者の4者にとってメリットがある。大学側にとっては、学内イベントなどの広報だけでなく、学生が選択する授業とその成績から、授業の質や教師の評判などビッグデータが取れる。教師側も定量的な授業の評価から、質の向上の必要性に気づく。また学生は自分の成績や授業のレジュメを見られるほか、時間割の作成や、教師へのアポイントが取れる。学生の保護者にとっては、息子や娘の成績を確認したり、未払いの授業料を把握したりすることも可能だ。

飲食店で事前に注文できるアプリも現在開発中。国内のケーキ屋「FESTIVITE(フェスティビテ)」のスマートフォン用注文アプリだ。店に行かなくても売られているケーキの情報がわかり、注文できるのが特徴だ。ホウンソウノウさんは「ケーキを食べる人の数を増やすサポートをしたい。ベナンでは事前注文できるアプリを使う店を見たことがない」と説明する。

「ベナンにはまだ、教育とeコマース(ネットショッピング)のアプリが広く普及していない。だからニーズがある。新しいソフトウェアの開発や通信技術で、ベナンの生活を快適で便利にしていきたい」とホウンソウノウさんは語る。