自由を求めコーヒー農家に転身したコロンビア人男性、貧乏脱却のカギは妻の母国・日本市場の開拓

日本人の妻・松尾彩香さんと理想の生活を送るアルレックス・ラミレスさん(左)。生活は苦しいときもあるが、コーヒー作りに奮闘するその表情は明るい(コロンビア・アンティオキア州フレドニア)日本人の妻・松尾彩香さん(右)と理想の生活を送るアルレックス・ラミレスさん(左)。生活は苦しいときもあるが、コーヒー作りに奮闘するその表情は明るい(コロンビア・アンティオキア州フレドニア)

日本にカフェを出したい

「現在の生活は理想だ」と笑顔を見せるアルレックスさん。だが頭を悩ませるのはお金の問題だ。

コロンビアの1カ月の最低賃金は87万7803ペソ(約2万8000円)。1年に換算すると1053万3636ペソ(約33万5000円)だ。ラミレスさんの現在の年収(60万8682ペソ=約2万円)は、最低賃金のわずか5%しかない。農園にある5000本のコーヒーの木をカットバック(実のつき方が悪くなった古い枝を伐採すること)したため、収穫量が落ちているからだ。

頼みとなるのは、妻の存在だ。「彩香が日本でコーヒーを紹介して、消費者が関心をもってくれれば、中間業者を通さずに直接販売できる。高品質で自慢のコーヒーなので、日本で売れる自信はある」とアルレックスさんは希望を抱く。

日本向けの本格的な直接販売はこれから。安定した収入を得るまでには時間がかかる。「今の自由な生活を捨てたくない。そのためには日本での市場開拓が絶対に必要。コーヒー販売だけでなく、将来は日本にカフェも出店したい」とアルレックスさんは展望を語る。

カットバックしたばかりのコーヒーの木。十分に育ち、収穫量が増えるのはこれからだ

カットバックしたばかりのコーヒーの木。十分に育ち、収穫量が増えるのはこれからだ

アルレックス・ラミレスさんと松尾彩香さんが暮らす家。ビンは捨てずに、インテリアとして使う。これもパーマカルチャー実践例のひとつ

アルレックス・ラミレスさんと松尾彩香さんが暮らす家。ビンは捨てずに、インテリアとして使う。これもパーマカルチャー実践例のひとつ

土の中にミミズを住まわせ、ふんを自然肥料として養分の高い土を作っている

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農園にはコーヒーの木以外にも、シェイドグロウンのために多くの植物を植えている

農園にはコーヒーの木以外にも、シェイドグロウンのために多くの植物を植えている

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