リッチーエブリデイがアフリカ布マスクを販売、作り手は“生きづらさを感じる日本人女性”

色鮮やかなI・マスク。仲本さんは「I・マスクにはウガンダへの寄付がつく。コロナ禍で内向きになりがちな今、寄付を通じて、自分の国以外のことに目を向けるきっかけになれば」と語る色鮮やかなI・マスク。仲本さんは「I・マスクにはウガンダへの寄付がつく。コロナ禍で内向きになりがちな今、寄付を通じて、自分の国以外のことに目を向けるきっかけになれば」と語る。

ウガンダ発のアフリカ布のファッションブランドで、東京・代官山に店舗をもつRICCI EVERYDAY(リッチーエブリデイ)の創業者の仲本千津さんはこのほど、NPO法人LunchTrip(ランチトリップ)のイベントで、2020年10月に発売したアフリカ布製のマスクについて紹介した。マスクの作り手は、“日本で生きづらさを感じる女性たち”。売り上げの一部は、ウガンダで活動する国際協力NGOテラ・ルネッサンスへ寄付する。売れ行きも好調だ。

色鮮やかで色落ちしない

マスクのデザインは、鼻からあごまでフィットする立体型。耳にかけるひもは、ゴムひものほか、本体と同じ布で仕上げたひもも選べる。

マスクの素材は、水色に赤の模様などが鮮やかで柄も豊富なアフリカ布。綿100%だ。

リッチーエブリデイのマスクは色落ちしにくいのも特徴。アフリカ布はガーナから仕入れる。同社がウガンダの首都カンパラに構える工房で、布を塩水で一度洗い、色落ちしないかどうかを確認する徹底ぶりだ。

商品の名前は「I・マスク」。「私という大事な存在〜I am Important.〜」とのメッセージが込めた。

このメッセージについて仲本さんは「複雑な事情を抱え、生きづらさを感じる日本の女性たちが、I・マスク作りを通じて周りの人とつながりを感じ、『自分という存在は大切』と再認識してほしい」と説明する。

I・マスクの値段は一枚2640円。代官山の直営店やオンラインストアで購入できる。

ひとり親世帯はますます困窮

リッチーエブリデイがI・マスクの縫製を依頼するのは、日本の2つの団体だ。ひとつは、ひとり親世帯や困窮世帯を支援する群馬のNPO法人Mam’s style(マムズスタイル)。もうひとつは、日本の過疎地域で暮らす女性の雇用を促進する会社PICHU PICHU TOKYO(ピチュピチュトーキョー)だ。

I・マスクのプロジェクトを仲本さんが立ち上げたのは、日本でも生きづらさを感じる女性のために何かしたいと思い立ったからだ。

「コロナ禍で収入が減ったり、雇い止めとなったり、と日本の女性たち、特にひとり親世帯はますます困窮している。(そうした苦境にもかかわらず)みんな、良いものを作ろうと一生懸命取り組んでいる。この気持ちは日本もウガンダも同じ」と仲本さんは話す。

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