
ビキニは必須アイテム!
2つ目は経済発展だ。ラオスは2001年に、2020年までに後発開発途上国から脱却する目標を掲げた。2018年までの国内総生産(GDP)成長率は6~8%を記録するなど、経済は順調に伸びてきた。
その恩恵を受けてか都市部では、バイクだけでなく、車による渋滞も起きるようになった。お金をもったラオス人たちが車を買って、乗り回すようになったからだ。これ以外にも、肉や魚、野菜などの食料品は昔ながらの市場ではなくスーパーマーケットで買ったり、ブランドの服を着たり、ファミリーレストラン風の飲食店で食事をしたりするラオス人も出てきた。
こうした経済力の向上が水かけ祭りのエンターテイメント化を促し、道具や舞台装置を派手にする。
子どもが水鉄砲や空気を入れて膨らますビニール製の大型プールを買ってもらう、同僚や仲間でおそろいのアロハシャツを買って着る、水をかけられても良いようにTシャツなどの下に着込むビキニが売れる、といった具合だ。ちなみに年配の女性もビキニを着る。
街中には、ピックアップトラックを乗り回して荷台から水をかけまくるラオス人たち。家ではみんなが集まって、自宅にある大型スピーカーで音楽を流し、カラオケで歌い、踊る。
食事も豪勢だ。肉、魚、スープ、野菜、果物などを使ったラオス料理のほか、寿司やピザも並ぶ。店の軒先には数段に積まれたビアラオの空きびんも。酒屋の店主は「正月を含む1週間のビアラオの売り上げは通常の数倍だ」と話す。
ただお金がない田舎の状況は違うようだ。南部のチャンパーサック県から上京した40代の公務員は「僕の田舎では今も、桶の水をバケツやヒシャクでくんでお互いにかけあう。ビエンチャンでの派手な演出の水かけ祭りは別世界だ」と言う。