国境なき記者団が発表した報告書の一部。真っ赤の部分は報道の自由度が低い記者が国外亡命するエルサル
ラテンアメリカに目を移すとワースト3はニカラグア(168位)、キューバ(160位)、ベネズエラ(159位)。いずれも左派政権だ。ニカラグアではメディアを取り巻く環境が「廃墟」と化し、またキューバではフリーランスのジャーナリストが地下に潜って活動している。
注目すべきは、極右のブケレ大統領率いる中米のエルサルバドル(143位)の順位が2014年(38位)からの12年間で105も下がったこと。
ブケレ政権は2025年、監視の強化につながる「外国エージェント法」を施行。この結果、多くのジャーナリストが国外亡命を余儀なくされた。外国エージェント法とは、外国から資金を受け取るジャーナリストやメディア、NGOを外国エージェントとして登録させ、受取額の30%を課税するものだ。
東南アジアで最下位となったのはベトナム(174位)。国境なき記者団は、一党独裁の共産党が主要メディアを完全に管理し、フリーランスのジャーナリストやブロガーを投獄することから、ベトナムを「世界最大級のジャーナリスト刑務所」と形容している。
また、主要な民主派政党を排除して国政選挙を24年末~25年初めに実施した、ミャンマー(166位)の軍事政権は「選挙妨害法」を口実に批判的な報道を犯罪とし、選挙プロセスを批判したとみなされたジャーナリストらを逮捕している。
独裁政権崩壊でシリアは改善か
過去25年の変遷をみると、報道の自由度を最も失った国・地域は、中国政府の締め付けが厳しくなる一方の香港。18位から140位へと122もランクダウンした。メディア王の異名をとるジミー・ライ氏は国家安全法違反で20年の禁錮刑を言い渡された。
また2024年12月~2025年12月に世界で殺害されたジャーナリストの数は前年から1人増え、67人となった。うち4割超を占める29人がガザで命を落とした。国境なき記者団は「ジャーナリストにとってイスラエル軍は最大の敵」と批判する。
メキシコでは9人のジャーナリストが犯罪組織に殺された。以下、スーダン4人、ウクライナ3人など。ラテンアメリカは全世界で犠牲となったジャーナリストの約4分の1を占める。
今回のランキングで最も大きく改善したのはシリアだ。アサド独裁政権が2024年12月に崩壊したことを受け、177位から36ランクアップして141位に。ただ「新政権が掲げる報道の自由の保障が実態を伴うかどうか、引き続き注視が必要」と国境なき記者団は指摘する。
「報道の自由が良好な国」に暮らす世界人口の割合は1%未満と、2002年の20%から大きく下がった。














