2026年の「世界平和度指数」報告書の表紙。紛争は増え続け、世界全体の平和度は12年連続で悪化した過去5年で103カ国が紛争に関与
コンゴ民主共和国東部の紛争も出口が見えないままだ。国内避難民の増加と資源をめぐる利権争いが平和度を押し下げた。経済平和研究所の紛争拡大リスク分析でも、コンゴ民主共和国は南スーダン、エチオピア、エリトリア、シリアなどと並ぶ「大規模武力紛争のリスクが高い地域」となっている。
ワースト10には入らなかったもののミャンマーの動きにも注目だ。紛争データを集計する国際NGO「ACLED」によると、国内で活動する軍政に対抗する武装勢力の数は2021年2月の軍事クーデター以降で延べ2600以上を数えるという。現在も活動中の勢力だけで1200以上あり、「世界で最も勢力が分裂した紛争」だとしている。
軍事クーデターから5年余りが過ぎたミャンマーでは、国内避難民が370万人に達した。またACLEDは7月1日、紛争関連の死者数が10万人を超えたと発表した。
経済平和研究所が強調するのは、紛争はもはや、ひとつの国にとどまらない現実だ。過去5年で、何らかの形で対外紛争に関与した国は103カ国。これは2008年の59カ国と比べて倍近い。
暴力にまつわる世界全体のコストは2025年で21兆8000億ドル(約3530兆円)にのぼるという。この数字は軍事費や警察予算だけでなく、殺人事件や紛争で失われた命や経済活動の損失までを含む。
この金額は世界のGDPの1割にあたる。しかも紛争の影響が大きい国ほど、こうした負担が重くのしかかる。ワースト10カ国では、インフラの破壊や生産活動の停止なども含めた経済損失がGDPの23.4%に達する一方、トップ10カ国ではわずか2.2%。「平和の格差」はそのまま「経済の格差」になっている。
対照的に、紛争を防ぐための世界の平和構築・平和維持活動への支出は492億ドル(約8兆円)。世界の軍事費(2兆9000億ドル=約470兆円)のわずか1.7%にすぎない。

世界平和度指数のランキング。1位から83位。トップ5はアイスランド、ニュージーランド、スイス、スロベニア、アイルランド。日本は10位だった

世界平和度指数ランキング。84位から163位(最下位)。米国は134位だった













