2025-07-09

【7/21(海の日)@JICA地球ひろば】異邦人が撮った写真の向こう側~ヨルダンの街角、ベナンの農村、コロンビアの先住民保護区から~

 

旅に出ると、人はなぜ、写真を撮りたがるのか。

いつもと違う風景を残したい? 旅の証になるから? SNSにアップしたい? 友だちや家族に見せるため? なんとなく惰性で?

かつては重いカメラを首からぶら下げて歩くか、カバンの中に仕舞ったカメラをいちいち取り出してシャッターを押したらまた仕舞うか‥‥写真を撮るのは地味に億劫でした。ところが“スマホ時代”の到来で、ズボンのポケットに忍ばせておけば、「おっ」と思った瞬間、パチリ。

いまや“生活の一部”となった写真。日本フォトイメージング協会の調べによると、日本人が1年に撮影する写真の枚数はなんと平均3193枚。「えっ、そんなに?」と驚きますが、1日換算で8.7枚。納得ですよね。

「異邦人が撮った写真の向こう側」と題する今回のイベントでは、ganasサポーターでフォトグラファー志望の山方由香利さん(ganasも応援!)がヨルダンの街角とベナンの農村で、ganas編集長の長光大慈がコロンビアの「先住民保護区」(先住民だけの世界が広がっています)で撮った一枚(数枚)をお見せしながら、その裏にどんなストーリーがあるのか、どんなことに思いを馳せたのか、どんなことをみんなで考えたいのか――といったお話をします。

山方さんから一言。

「カメラを構えると、レンズの向こうには“自分の心が動く瞬間の世界”が広がっている。自分だけの世界を、ストーリーを作れる。それが写真」

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

上の写真を見てください。

山方さんがヨルダンの首都アンマンで撮ったものです。一見すると、髪を覆った女性がカップに紅茶を注ぐなんの変哲もない一枚。ですが“写真の向こう側”にはこんなストーリーが隠れていました。

山方さんがランゲージ・エクスチェンジ・アプリ「Hello Talk」を使って、ヨルダン人女性アイシャさんと知り合ったのは2019年ごろ。1年過ごしたニュージーランドから帰国したばかりで「日本での生活が少し息苦しく感じていました。海外の友人がほしい!」と刺激をアプリに求めたのです。

アイシャさんは山方さんにとって初めてのヨルダン人の友人。ヨルダンはどこにあるの?と地図で探すところから始まり、ヨルダン人は何を食べるの? ヨルダンの女の子はどんなことをして過ごすの?と興味は膨らんでいきました。

「Hello Talkのランゲージ・エクスチェンジという目的を忘れ、私は英語でアイシャを質問攻めにしました。気が付けば、家族の話や将来の話もするような仲になっていたのです」

アイシャさんと知り合って5年後(2024年4月)、山方さんはアンマンまで会いに行く決心をします。エアチケット(カタール経由のエミレーツ航空で往復約35万円)を買い、お土産も準備し、ミラーレスカメラと2本のレンズをピカピカに磨き上げ、準備万端。いざ出発、というときにショッキングなニュースが飛び込んできました。

イランがイスラエルにミサイルを発射。

山方さんの心は凍り付きました。「楽しみにしていたのに! なんでなの!」と心の中で叫び声を上げる山方さん。

イランとイスラエルの間に位置するヨルダン。アンマンの空港は閉鎖され、いつ再開するのかわからない状態。アイシャさんも「ミサイルがヨルダンの空を通過するなんて初めてのこと。私もユカリ(山方さん)と会うのをすごく楽しみにしていたのに。なんでよりによってこの時期に‥‥」と、顔は見えないけれどショックを受けているようすはスマホ越しに伝わってきたそうです。

ただ神は2人の味方をしました。アンマンの空港は再開し、飛行機も運航することに。不安はまだ少し残っていたものの、山方さんは思い切ってアイシャさんを訪ねることに! ルンルン気分で、重い荷物を担いでも足取りは軽い。

アンマンの空港で感動の初対面。スマホの画面では顔を見て話していたのに、いざ会うと恥ずかしい。

「初めまして」。緊張して山方さんが思わず発したこの言葉に、「初めまして、はなんか違和感あるけどね」とツッコミを入れるアイシャさん。

山方さんはアイシャさんのお母さんにも会ったそうです。「窒息しそうなぐらいの力で抱きしめられました。アラビア語がわからない私と、一握りの英単語しか知らないアイシャのお母さん。スムーズな会話はできなかったけれど、ボディランゲージや片言でのやりとりはなんだか心地良かった」

楽しい時間はすぐ過ぎ去ります。最後のおもてなしは、砂糖とレモンで甘酸っぱいヨルダンの紅茶でした。この一杯を飲み終わったら、「さよなら」を言わなくてはなりません。ゆっくり味わって口に運びました。

山方さんにとっては特別な紅茶、特別な時間を切り取った写真なのです。こんなストーリーを聞くと、写真っていいな、と思いますよね。

写真の素晴らしさのひとつは「撮影のプロセス」(スマホを使うにしろ、創作活動であることにはなんら変わりません)にストーリーがあること。ただそれは言葉で伝えないとなかなか伝わりませんよね。

7月21日は「海の日」。夏休みに海を越えて出かけたい社会人&大学生の皆さん、写真を起点とする“途上国トーク”を聞いて、またはみんなでしてみませんか。きっと、世界はもっと身近に、そして世界の見え方も変わります。

日時

7月21日(海の日)14時15分~16時30分

<タイムライン>(予定)  

14:10 開場
14:15 開始
14:15 【ヨルダン】砂漠以上に熱いのは人の心、「放っておけない精神」はどこからくるのか
14:40 【ベナン】彼らの日常生活から推測!ベナンに住んだら健康になれるかも?
15:05 【コロンビア】黒いキリスト像から想像する世界、コロンブスがもし来なかったら
15:30 休憩
15:45 皆さんで写真トークをしましょう! アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、中東、大洋州などで撮った一枚をぜひお持ちください。グループに分かれてお話しませんか?
*途上国のちょっとした飲み物や食べ物もお持ちします
16:15 2025年夏の現地取材プログラム『Global Media Camp』のご案内
16:30 終了

*お時間のある方は終了後、近くのお店に二次会へ行きましょう(実費はご負担ください)!

会場

JICA地球ひろば セミナールーム 201AB
(東京都新宿区市谷本村町10-5、最寄り駅は市ヶ谷)
http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map/index.html

参加費

無料

定員

35人程度(先着順)

申し込み方法

Peatixの下のページからお手続きください。
https://20250709ganas-photo.peatix.com/view

締め切り

7月20日

こんな社会人&学生におススメ

・写真が好き!
・写真を起点に途上国トークをしたい/聞きたい!
・アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、中東、大洋州のさまざまな国に行ってみたい!
・他人が行かない場所や会わない人に行って/会ってみたい!
・途上国に詳しくなるために現地取材したい!
・難民や国内避難民、先住民など、ひとりひとりの知られざるストーリーを知りたい!
・情報発信やジャーナリズムに興味がある!
・現地にネットワークを作りたい!
・世界のことに関心のあるバックパッカー!

この夏に開催するGlobal Media Campの詳細

夏は熱い現場へGO! タイ/南米/アフリカで「市民ジャーナリスト」になる『Global Media Camp』

開催地はタイ・チェンマイ(取材はミャンマー難民に特化)、コロンビア・メデジンベナン・コトヌーケニア・モンバサの4カ所。締め切り、お得な早割が迫っておりますのでご留意ください。

主催&問い合わせ先

特定非営利活動法人開発メディア(「ganas」の運営団体)

website:https://www.ganas.or.jp/
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