「レイプ犯が無罪になる法律」が世界20カ国にあった、国連人口基金が問題視

「NOT your TOY(あなたの道具ではない)」と抗議する女性たち「NOT your TOY(あなたの道具ではない)」と抗議する女性たち

国連人口基金(UNFPA)は、タイやフィリピン、ロシアなど20カ国では、男性が女性をレイプして有罪判決を受けても、その女性と結婚した場合は罪を問われない、と批判する「世界人口白書 2021」を発表した。また、57の途上国では、結婚するかどうかを自分で決められない女性が約半数に上ることもわかった。

男性がレイプした女性や少女と結婚した場合、男性が刑事訴訟を逃れる法律があるのは20カ国・地域。女性と女児の人権の保護を提唱するNGO「イクオリティ・ナウ」によると、それらはアルジェリア、アンゴラ、バーレーン、ボリビア、カメルーン、ドミニカ共和国、赤道ギニア、エリトリア、ガザ(パレスチナ自治区)、イラク、クウェート、リビア、フィリピン、ロシア、セルビア、シリア、タジキスタン、タイ、トンガ、ベネズエラだ。

UNFPAによれば、この法律を悪用する男性も少なくないという。自分が手に入れたい女性をレイプし、結婚に持ち込むわけだ。

このやり方が成立するのは、この法律に加えて、女性の立場が弱いことも影響する。レイプされた女性が加害者との結婚を望まなくても、女性側の家族が加害者との結婚を決めてしまうケースがあるからだ。

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