「真実をみんなに伝えたい」、ヤンゴンのジャーナリスト養成学校に通う16歳少女の夢

???????????????????????????????ミャンマー・ジャーナリズム・インスティテュート(MJI)で学ぶミミさん(16)。自他ともに認めるかわいらしい小柄な少女

ミャンマー・ヤンゴンのミニゴン地区にあるミャンマー・ジャーナリズム・インスティテュート(MJI)はジャーナリストを目指す若者が通う専門学校だ。ここで学ぶミミさん(16)は「真実をミャンマーの人たちに伝えたい」との思いがあり、将来の夢はテレビのリポーターになることだ。

ミミさんがMJIに入ったきっかけは、人々に正しい情報を伝える仕事がしたいと思ったから。情報の検閲がなくなった今も、「貧しい人とお金持ちとの間に情報格差がある。とても不公平。自分がジャーナリストになって、みんなに真実を伝える仕事がしたい」と話す。

ミミさんの日課は、MJIの授業が始まる30分前に新聞やスマートフォンでニュースをチェックすること。周りの友人が芸能ニュースや映画に夢中になっている中、ミミさんは常に政治や経済などの時事問題を追っているという。

MJIの授業のなかで一番好きなのは「モバイルニュース」と「ラジオ」だ。モバイルニュースの授業は、ミミさんがリポートしている風景を別の生徒に撮影してもらい、それをミミさんがスライドショーに編集する。

ラジオの授業は、自分で書いた時事問題の原稿を録音し、それを学内で放送する。分かりやすく人に伝わるよう、読み方に気を配っているとミミさんは言う。悲しいニュースを読む際はそれに合わせて声のトーンを落とし、明るい話題には明るい声で話すといった具合だ。

MJIの先生は、4人のミャンマー人トレーナーを除いて、全員外国人だ。ドイツのドイチェ・ヴェレという国際公共放送事業体が、講師となるジャーナリストをMJIに派遣する。講師はフランス人やスイス人、ドイツ人、オーストラリア人などさまざまだ。

ミャンマーでは2011年まで軍事政権がメディアを厳しく検閲していたため、国民に真実が知らされない状況が続いた。ミャンマーの記者の多くは報道の自由を経験してこなかったため、ミャンマーのメディアのレベルは低いといわれる。だが民主化を進めていくうえでメディア界の人材不足の解消は不可欠だ。外国人を講師にMJIがミャンマー人記者を養成する意義はここにある。MJIの就職率は90%。この70%近くがテレビの仕事に就く。

ミャンマー・ジャーナリズム・インスティテュート(MJI)の正門前(ヤンゴン・ミニゴン地区)。校舎はタウンハウスだった

ミャンマー・ジャーナリズム・インスティテュート(MJI)の正門前(ヤンゴン・ミニゴン地区)。校舎はタウンハウスだった