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ドタキャンが当たり前の授業やワークショップ
私は大学でも何度となく授業をしてきた。そのひとつがベネズエラ・ボリバリアーナ大学(UBV)。この大学は、チェベス大統領の肝いりで運営される“オープン大学”で、ほぼ誰もが入学できる。僻地にもキャンパスがあり(校舎は借り物)、人口数百人の村にもある。
私はかつて毎週土曜日朝5時に起き、クルマで片道2時間かけて大学に行き、エコロジーのクラスを受けもっていた。
ところが着くと、学生がほとんど来ていないことが少なからずあった。授業に魅力がないからか? そうかもしれない。ただそれ以上に深刻なのは、大学が僻地にあり、交通手段がなさすぎることだった。学生を運ぶスクールバスが一応出ているものの、故障も多く、理解不能なぐらい頻繁に運休する。
ではなぜ僻地に大学をつくるのか。UBVの創立趣旨は、これまで教育機会に恵まれなかった人たちにも学ぶチャンスを与えようというもの。つまり、対象となる人たちは僻地出身者も多いのだ。
ワークショップも何度かやった。1日のワークショップを私が担当する場合、スペイン語を使うこともあって、どんなにテキパキ準備しても最低数日。赴任当初は1週間かかっていた。ちょっとした専門用語さえ辞書に出ていないし‥‥。そしていざ当日、あっさりとキャンセルになることはザラだった。成果ゼロ。
この国の命令系統は、極端なトップダウン方式だ。ワークショップに出席したくても、「○×やってくれ」と上司が鶴の一言を発した瞬間、そちらを優先せざるをえない。誰も来なければ、必然的に私の準備は水の泡と化してしまう。
マリパの広場におしゃれなごみ箱がお目見え!
言い訳をざっと書いてみたところで、「途上国だから仕方ないじゃないか」と指摘される読者の方もおられるだろう。
それはその通り。ただひとつ忘れてならないのは、こうした気持ちを味わっているのはなにも外国人の私だけでなく、地元の人も同じということ。一部のベネズエラ人いわく「真面目にやった者がバカをみる社会」。
成果を出しにくい環境の中で、いかにしてモチベーションをキープしていくか。投げやりになっては何も始まらない。とはいえ、もがき続けたところで変わったのか。変化がないのであれば何をしに来たのか――。
去年の暮れ、ひとつ良いことがあった。市役所がマリパの広場にごみ箱を4つ設置したのだ。私のこれまでの活動と関係があるかどうかは微妙だが、そんなことはさして重要ではない。
ごみ箱の中をのぞくと、ごみがいっぱいで溢れそうなものもあれば、ほとんど空っぽのものもある。ごみ箱があっても、その周りにはビニール袋や紙切れが散らかっている。ポイ捨てはそう簡単には減らない。
ごみが減ろうと減るまいと、2008年3月末に私はマリパを離れ、日本に帰国する。しかし彼らはずっとここに住み続ける。(終わり)