セックスワーカーは中国に600万人、ヒューマン・ライツ・ウォッチは「人権侵害に終止符を!」

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ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は5月14日、中国のセックスワーカーが受けている人権侵害の実態を糾弾する報告書「追いやられて:中国におけるセックスワーカーに対する人権侵害」を発表した。同団体のソフィー・リチャードソン中国部長は「中国では、性労働に従事する女性は、さまざまな権利を喪失したように扱われている。中国政府は、セックスワーカーを弾圧するような法律を廃止し、虐待的な警察官を処分すべきだ」と非難した。

中国には400万~600万人のセックスワーカーがいるとみられる。そのほとんどは女性だ。報告書によると、セックスワーカーへの人権侵害には、警察官による暴力をはじめ、「労働再教育」という名の最長2年の恣意的拘禁、HIV検査の強要などが含まれる。

中国政府は性労働を公式的には全面禁止している。性産業を「社会主義的な精神文明に反する醜悪な社会現象」として、罰金または短期の拘禁で処罰可能な「軽犯罪」として扱ってきた。ただ実態は野放しに近い。

警察による売春取り締まり活動は断続的に実施され、その際は、性労働の現場である娯楽場や美容院、マッサージ店を捜査。セックスワーカーの疑いのある女性を拘束する。こうした女性たちはその後、適正手続きや公判を経ずに、「労働再教育施設」に送られ、最長で2年拘禁されている。

セックスワーカーらは、「(警察に)何回もレイプされたことがある。でも私は売春婦で、法に違反して性を売っているから、逮捕されるかもしれないのは私なのよ」「警官がセックスしてくれたら私たちを守ってやるなんて言うのよ。警官はそういう時、お金を払わない。したくなったら私たちのところにくるだけ」などと報告書の中で証言している。

HRWは、中国政府に、自発的で同意に基づく性労働に対して刑事・行政罰を廃止する法律の制定を求めている。