【ガーナNOW!女子大生は見た(3)】ガーナ料理は主食だけで10種類以上! 気候の違いがバラエティを生む

食事の前にはきちんと手を洗う食事の前にはきちんと手を洗う

ガーナの魅力は、何といっても豊かな食文化だ。それぞれの地方、民族に特有の伝統料理があるため、バラエティに富む。味付けは基本的にどれもスパイシー。辛い物好きの私にとって、ガーナに来てからというもの、毎度の食事が楽しみで仕方ない。この連載では、2回にわたってガーナの伝統料理を紹介したい。

ガーナ料理と日本食の最大の違いは主食の種類だ。ガーナの主食は10種類以上。ざっと挙げただけでも、ヤムイモやキャッサバなどのイモ類から、トウモロコシやコメ、ソルガムやミレットなどの穀類、プランテン(調理用バナナ)までいろいろある。これらの主食を、スパイスのガツンと効いた肉や魚入りのスープやシチューと食べる。代表的な料理はこちら。

■フフ

フフは、ガーナで最もポピュラーな主食。アシャンティ州やセントラル州に住むアカン系の人たちの伝統料理だ。見た目や食感は日本のモチとよく似ている。味はほんのりイモの風味がするだけで、クセがなく食べやすい。肉や魚入りのピーナッツスープ、ライトスープ(トマトやタマネギ、トウガラシを煮込んだスープ)、真っ赤なパームオイルのスープなどと一緒に食べる。手でちぎって、かまずにスープとともに飲み込むのがガーナ流だ。

もちと同じように、少しでわりと腹持ちがするため、多くの外国人には、拳よりちょっと大きめの量でちょうどいい。でもガーナ人は、その2~3倍の量をペロッと平らげてしまうから驚きだ。

フフとライトスープ、羊の肉の組み合わせ

フフとライトスープ、羊の肉の組み合わせ

フフをはじめ、ガーナの主食はお腹に重いのに、ガーナ人の食べる量は半端ない。抜群のプロポーションをもつガーナの女の子たちのお腹がぽっこり出ているのはこのためだと思う。

フフはまた、食感だけでなく、作り方ももちと似ている。キャッサバ(またはヤムイモ)とプランテンを臼に入れ、木の杵でつく。途中で水をつけて裏返すさまは、まさに餅つきそのものだ。

アシャンティ州でフフがよく食べられるのには、キャッサバやプランテンの栽培が盛んという理由がある。降雨量が少なくてプランテンなどが育ちにくいノーザン州では、ヤムイモからフフを作っている。フフはガーナだけでなく、コードジボワールやコンゴ民主共和国などでもポピュラーと聞く。

フフをつく様子。ひとりが杵でつき、ひとりが生地を裏返す

フフをつく様子。ひとりが杵でつき、ひとりが生地を裏返す

■バンクー

バンクーは、キャッサバとトウモロコシの粉を練って作る。食感はやわらかく、小麦粉の風味とちょっとした酸味があるのが特徴。色は白く、形は丸っこい。ガーナ人の間ではフフと張り合う人気ぶりだが、酸味のせいで苦手という外国人は多い。

フフと同じく、肉や魚入りのスープにつけて食べる。地元でポピュラーな食べ方は、ドロッとしたオクラやトマト、パームオイルを使ったシチューとの組み合わせ。

バンクーとオクラのシチュー、鶏肉の組み合わせ

バンクーとオクラのシチュー、鶏肉の組み合わせ

■ケンケ

ケンケは、バンクーと同様、キャッサバとトウモロコシからできている。バンクーよりも酸味が強く、外国人へのウケはいまひとつだ。私も最初はケンケが苦手だった。でも慣れるとクセになる。魚や肉入りのスープと合わせて食べてもいいが、私のイチオシは、揚げ魚とペッパー(トウガラシ)、シトーと呼ばれる香辛料との組み合わせ。ヴォルタ州のヴォルタ湖(世界最大の人造湖)で採れるティラピアと呼ばれる魚との相性が抜群。

ケンケは、材料も作り方もバンクーとほぼ同じだが、最後にトウモロコシの葉で包んで蒸す。このひと手間で酸味が増す。トウモロコシの葉で包んだケンケを「ガ・ケンケ」と呼び、これは、首都アクラのあるグレーター・アクラ州で暮らすガ族の民族料理。また、セントラル州に住むファンテ族は、バナナの葉で包んだ「ファンテ・ケンケ」を食べる。ファンテ・ケンケはガ・ケンケと比べて酸味が少なくてやわらかい。

ケンケはまた、手で潰して、そこに砂糖とミルクまたは冷たい水を加えれば、スイーツとしても楽しめる。これはアイスケンケ、またはマッシュドケンケと呼ばれる。

ケンケと揚げ魚。真っ赤なペッパーと黒いシトーを添えて

ケンケと揚げ魚。真っ赤なペッパーと黒いシトーを添えて

■ツオザフィ(ティーゼット)

ツオザフィ(ティーゼットという別名もある)は、トウモロコシやソルガム、ミレットなどの粉を練って作る。食感はバンクーやケンケよりもやわらかく、少し水っぽい。酸味はないからとても食べやすい。モロヘイヤや乾燥オクラのスープ、ウェレ(牛の背肉)ととても合う。ブルキナファソと国境を接するアッパーイースト州、アッパーウェスト州、ノーザン州に住む民族の伝統料理だ。

ガーナの北部3州でツオザフィが食べられる背景には、乾燥したサバンナ気候ということもあって、乾燥に強いソルガムやミレットなどが盛んに栽培されてきたという事情がある。地域や民族ごとの主食の違いには、東西南北の気候の差が大きく影響している。

ツオザフィと乾燥オクラのスープ、ウェレ(牛の背肉)の組み合わせ

ツオザフィと乾燥オクラのスープ、ウェレ(牛の背肉)の組み合わせ

主食の紹介はまだまだ続くが、今回はここまで。次回は、コメやヤムイモを使った伝統料理を中心に紹介するので、お楽しみに!

最後に、食前と食後のマナーに触れておく。ガーナの食事は、手で食べるのが基本。不浄とされる左手は極力使わず、右手で食べる。このため、レストランやチョップ・バー(庶民のお食事どころ)には、必ず水の入った桶とせっけんが置いてある。食前と食後は、みんなきちんと手を洗う。ただ、せっけんが手洗い用のものではなく、食器洗い用の洗剤であることにはツッコミを入れておきたい。