「ミャンマー人の半数が2022年初めに貧困に陥る」とUNDPが予測、クーデターと新型コロナで

コロナ禍の中、マスクをつけてクーデターに反対するミャンマー人ら(写真はPexelsより引用)コロナ禍の中、マスクをつけてクーデターに反対するミャンマー人ら(写真はPexelsより引用)

クーデターが追い打ち

とはいえ、クーデターが起きる前の2021年1月の段階では、ミャンマーの経済活動は回復する見込みだったという。2021年初めをめどに、新型コロナのワクチンの接種がスタートする計画だった。これを受けて、国際通貨基金(IMF)が「国内総生産(GDP)の成長率が6~7%ほど上向く」と「世界経済見通し」の中で発表したのだ。

だがこのわずか1カ月後に発生したクーデターが、経済活動の回復の足を引っ張った。

問題のひとつが、ミャンマー国内の銀行が機能しなくなったこと。現地通貨のチャットは2021年2~4月の2カ月で16%の急落。ガスの料金は2割上昇するなど、インフレに見舞われた。国内外で出稼ぎする家族からの送金も届かなくなった。

物流も麻痺状態だ。報告書によれば、通関業者や大型トラックの運転手、鉄道会社や港の労働者の仕事がストップ。貿易の8割を占める海上輸送についてUNDPは、貿易量がクーデター後の2カ月で55~64%に落ち込んだと推定する。

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