ジャマイカで14年活動した体操コーチ、刺激満点な途上国から平和な日本に戻って何を思う?

ジャマイカの休日は家族そろっての海遊びが定番だった(左から2人目が西田さん)ジャマイカの休日は家族そろっての海遊びが定番だった(左から2人目が西田さん)

途上国で子育ても意外とアリ?

3つ目に西田さんが思ったのは、途上国での子育てには「途上国なりの良さがある」ということだ。体操教室を開業した1年後に西田さんは結婚し、ジャマイカで2児の父になった。

西田さんがジャマイカで子育てをして何よりも良かったのは、日本では得られない経験を子どもにさせられたことだ。子どもたちは平日は現地の学校に通い、外国の文化や英語に触れる。休日はジャマイカの自然いっぱいの無人島で、伊勢海老や魚を捕って遊ぶ。

ジャマイカで懸念される治安も子育てには問題なかったという。ジャマイカの治安について西田さんは「犯罪件数は多いが、テロはほとんどないと感じた」と話す。

「自分自身は体操教室を広めようと貧困地区にも出入りしていたので何回か強盗にあった。ただ家族が危なかったのは、教室の敷地内にある自宅に空き巣が入った一度だけ。教室のスタッフの目もあり危険な目にはあわなかった。私たち家族はコミュニティーになじんでいたので近所の人たちがいつでも味方でいてくれた」(西田さん)

「ジャマイカでの生活が刺激的すぎて、これからの人生も面白くないことはしたくない」と語る西田さん。しばらくは3歳と10歳の子どもの父親として日本での子育てに熱中するつもりだという。途上国生活を一度満喫した男性はこの先、このまま日本にいるのか、それとも日本の暮らしに飽き足らずに途上国へ再び出ていくのか――、注目だ。

ジャマイカで西田さんが経営していた体操教室「西田ジム」。多いときで800人ほどの生徒が通っていた

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ジャマイカの首都キングストンにある西田ジム。体操後進国のジャマイカで、本格的に練習できる設備を一から備えた

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