「病院へ行くため毎日2時間歩いた」 数百円が手に入らないベネズエラ難民の悲痛な叫び

2017年にベネズエラからコロンビアに避難してきたソレイリ・アリアさん(右)とその息子のルイスちゃん(左)。ルイスちゃんはコロンビア・メデジン南東に位置するエンビガード市の病院で生まれた2017年にベネズエラからコロンビアに避難してきたソレイリ・アリアさん(右)とその息子のルイスちゃん(左)。ルイスちゃんはコロンビア・メデジン南東に位置するエンビガード市の病院で生まれた

喉から手が出るほど欲しい労働許可証

収入の低さの原因のひとつは、コロンビアの労働許可証を持っていないことだ。「ベネズエラ人の大半は不法就労だと思う」とアリアさんは淡々と話す。労働許可証を取得することは、パスポートを持っていないアリアさんにとって至難の業。働く資格がなければ、足元をみられて最低賃金さえも払ってもらえない。

だがコロンビア政府に対して不満ばかりではない。アリアさんは「コロンビア政府が出産にかかる費用を負担してくれた。15歳の息子は授業を無料で受けられ、払っているのは教科書代と制服代だけ」とコロンビア政府に感謝する。

アヒサルでの暮らしは辛いことばかりではない。アリアさんの一番の趣味はテレビを観ること。2021年の東京オリンピックでは、陸上・女子三段跳びのベネズエラ人選手ジュリマール・ロハスが金メダルを獲得。ベネズエラでは女子選手初の金メダルで、歴史に残る瞬間をみんなで喜んだ。

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