結婚してケニアに移住した河野理恵さん、「自信を届ける」ためにアフリカ布製品を販売

河野理恵さん(左)とRAHA KENYAのケニア人の職人河野理恵さん(左)とRAHA KENYAのケニア人の職人

起業家の夫について行ったOL

河野さんがナイロビに住み始めたのは2018年2月。その前は丸の内でOLをしていた。ナイロビで玉ねぎを売る会社を興した夫に「ただついて行っただけ」と笑う。

RAHA KENYAを立ち上げたきっかけは、アフリカ布から河野さん自身が自信をもらったことだ。河野さんはケニアに住み始めたころ、無力感で自信を失い、家に引きこもりがちだった。そんな中、アフリカ布のもつ「人を前向きにさせ、自信を感じさせる力」に助けられたという。

河野さんは当時をこう振り返る。「あなたは何ができるの? 何をしにケニアに来たの? とケニア人に聞かれ、自分が誇れるスキルや経験が何もないことに気づいた」

ところがアフリカ布を身にまとってみたところ、少し自信がもてたという。「ナイロビの街でカラフルなアフリカ布の服を着るケニアの女性のように、周りの目ばかり気にせず堂々としていたいと思った。私も実際に着たら、自分にも個性がある、何でもできる気がしてきた」

ケニアのNGOを支援したい

河野さんは起業した当初、国際協力や支援に興味はなかった。「RAHA KENYAは誰かを助けているわけではない。私が自分でできないことを、ケニア人にやってもらうという意識だった」と河野さんは説明する。

だがケニアで暮らし始めて約2年。物乞いなど貧しさを日常的に目にしてきた。「日本ではたくさんのお客さんをハッピーにできた。なのに、自分がお世話になっているケニアの人たちを助けられないことへのもどかしさをすごく感じた」と言う。

そこで挑戦したのが2020年6月14日から7月12日に実施した初のクラウドファンディングだ。ケニアのストリートチルドレンの自立を支援するNGOモヨ・チルドレン・センター(MCC)へ寄付するもので、 56万7800円を集めた。寄付者へのリターン商品は、MCCで暮らす子どもたちとRAHA KENYAが一緒に作った。

河野さんは現在、新型コロナウイルスの影響で日本に一時帰国中だ。2021年3月ごろにケニアに戻る予定。「いまもケニアのNGOの何人かと連絡をとって支援を必要としている場の情報を得ている。来年(2021年)以降は、ケニアのNGOへ直接足を運ぶつもりだ。RAHA KENYAとして商品開発やイベント企画など、できることを模索したい」と意気込む。

都内のポップアップイベントで売ったRAHA KENYAの商品の数々

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