27歳でダーラを開校したムハンマド・ディアネさん(35歳) 。 セネガル・ダカール県中部ンバオで筆者撮影一コマ4時間コーラン
多くの宗派があるイスラム教で、ムハンマドさんのダーラはどこにも属さない。「宗派を作って分裂するのではなく、連帯すべき。モハメッドの教えを信じるのであれば宗派など存在しない」と語るムハンマドさんのダーラには多様な宗派の子どもが集う。
彼のダーラでは週7日、コーランの授業がある。長い時は一コマ4時間だ。「コーランを深く理解できればすべての学問の知見を得られる」とムハンマドさんは考えているからだ。そのほかにもフランス語やアラビア語、体育の授業もある。
一方でムハンマドさんは規律面の指導も重要視している。「単に知識があるだけでは教養のある人間にはなれない」とムハンマドさん。筆者がダーラを訪れたときも子どもたちは実際、屈膝礼で丁寧にあいさつしてくれた。
冷蔵庫の中にはイモとナス
多い時は子どもの数が100人を超えるムハンマドさんのダーラ。その経営は簡単ではない。学費は無料。ただ寄付金としてダーラに入る1カ月の収入は約90万cfaフラン(約24万6000円)と、8割の子どもたちが寝泊まりするダーラとしては経済的に苦しいのが現状だ。
ダーラのキッチンにある冷蔵庫の中はイモとナスぐらい入っていなかった。「お金が足りず十分な食材を買うのに苦労している」とムハンマドさんは話す。自分の給料はなるべく取らないようにしているという。
「コーランを子どもに伝えていくことは(スリーニュ・ダーラ)としての使命。お金ではない。コーランを深く理解することが子どもたちの将来を、ひいてはセネガルの未来を明るくすることになる」。ムハンマドさんはこう信じる。

キッチンの冷蔵庫の中。食材の少なさが目立つ(筆者撮影)
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