10月31日総選挙のマニフェストを読み比べ、「途上国支援」に積極的なのは公明党と共産党

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共産、日本維新の会、公明の3党はこのほか、中国やミャンマー、アフガニスタンでの基本的人権侵害の懸念についても触れている。骨子は下のとおり。

中国問題

・共産党(2019年11月の第8回中央委員会総会報告):表現の自由と平和的集会の権利は、国際的な人権保障の基準でも明確に認められている権利であり、香港政府による抑圧的措置、およびそれを全面的に支持し、武力による威嚇を行った中国政府の対応に反対する。

・共産党(同上):ウイグル自治区で、大規模な恣意(しい)的勾留、人権弾圧が中国当局によって行われていることを深く憂慮している。中国当局に対し人権抑圧の中止を強く求める。

・共産党(2020年6月「香港国家安全維持法」制定直後に発表した談話):「香港国家安全維持法」制定に厳しく抗議し、撤回を求める。

・日本維新の会:昨今の香港やウイグル・チベットのように、自由・民主主義・人権の尊重・法の支配が認められない事態が生じた場合は、毅然とした外交対応を行う。

ミャンマー問題

・公明党:現在のミャンマー国軍の状況は、断じて許されるものではなく、民間人に対する暴力的な対応を直ちに停止するとともに、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含む拘束された関係者を一刻も早く解放し、民主的な政治体制を早期に回復することを強く求める。

・共産党:ミャンマー国軍がクーデターによって、民主的に選ばれた政権を倒したことは、民主主義を根本から否定する暴挙。日本のODAはミャンマー軍が経営・所有する企業を利しており、国軍の利益につながるODAや開発投融資を停止すべき。

共産党は、これまでに委員長の談話「ミャンマー国軍によるクーデターを非難する」(2021年2月)や「ミャンマー国軍は武力弾圧をただちに中止せよ―国際社会の一致した取り組みを呼びかける」(2021年3月)など、党としてさまざまな意見を表明してきたことにも触れている。

アフガニスタン問題

・公明党:不安定な治安情勢の中、基本的人権の尊重、女性などの権利の保護・向上などを含む包括的な政治プロセスが担保される国づくりや同国が二度とテロの温床にならないよう粘り強く求めていく。

・共産党:タリバンの支配が復活し、食料危機や経済危機、難民の発生など深刻な事態に陥っている中で、緊急人道支援や避難民の保護、援助関係者の安全の確保・退避支援を、各国政府や国際機関とともに取り組み、アフガニスタンの人々の人権が守られ、安心して暮らせる社会の実現へ進めるよう政府の対応を求める。

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