アフリカに残る男性の割礼は「エイズの予防」に有効? マケレレ大の小児神経科医が訴え

ケニア南西部ブンゴマ地域のブムラで「伝統的な割礼」を終えて歩く男児たち。キテンゲと呼ばれる薄い布を上から被る。白色の土を体に塗り、長い歩きに備える男児(7月18日撮影)ケニア南西部ブンゴマ地域のブムラで「伝統的な割礼」を終えて歩く男児たち。キテンゲと呼ばれる薄い布を上から被る。白色の土を体に塗り、長い歩きに備える男児(7月18日撮影)

クリスマスに割礼

昔からの割礼は1~2週間ほど歌い踊る儀式が続く。その間、男児は学校に行けない。10歳のときに伝統的な割礼を終えたケニア人でマケレレ大学大学院に通うジェイムズ・アダンジ・バラサさん(30歳、ルヒャ人)は「最近は、学校がない休日に割礼の儀式をする。特にクリスマスがある12月に割礼する人が多い」と説明する。

男性の割礼についてバラサさんは言う。

「割礼はケニアでは昔から、男としての忍耐力を試す手段。伝統的な割礼を終えて初めて、勇敢な男として周りに認められる。ルヒャの文化・風習だから当たり前のことをやっただけ。そもそも僕は医療的な割礼があることを当時知らなかったけれど」

日本の割礼は9%

男性の割礼(包皮切除)は世界中、例えば、米国や英国、韓国でも行われている。米国のバイオテクノロジーと生物医学に関連するデータベース(NCBI)によると、割礼を受けた男性の割合は、米国約80%、英国20.7%、韓国約77%。ちなみに日本は9%だ。

医者による割礼ではなく、宗教や伝統に従う男性の割礼は、イスラム教徒やユダヤ人に多い。2016年のNCBIのデータによると、伝統的な割礼を受けた男性の割合が99%以上の国は、モロッコ、チュニジア、アフガニスタン、イラン、西サハラ、タジキスタンやイエメンなど。

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