強い戦士になる!? マサイ族に残る「ヤギの睾丸を生で食べる」伝統

男性が手に持つ丸いものが「ヤギの睾丸」。これを生で半分に切り、食べる。「ケニア国内のほかの民族と比べてマサイ族の体は強い」といわれるのはこうした食生活が関係しているかもしれない(2022年7月22日、筆者撮影)男性が手に持つ丸いものが「ヤギの睾丸」。これを生で半分に切り、食べる。「ケニア国内のほかの民族と比べてマサイ族の体は強い」といわれるのはこうした食生活が関係しているかもしれない(2022年7月22日、筆者撮影)

ネットでどう変わる?

消えゆく文化がある一方で、新たに入ってくる文化もある。いわゆる近代化の波だ。

そのひとつがインターネットだ。マサイマラでは、ケニアの大手通信会社サファリコムが提供するWiFiでインターネットがつながる。通信状況はまだ不安定だが、大きな変化をもたらしていくことは間違いない。

ただ現実はスマートフォンをもつマサイマラのマサイ族は少なく、旧式の携帯電話(ガラケー)が主流だ。電気がまだ通っていないため、電力消費量の少ないガラケーが好まれる。電話の機能も使えることに加え、夜の明かりとしても重宝する。ガラケーの充電は、近所の人がもつ小型のソーラーパネルを貸し借りしてやりくりする。

ガラケーユーザーのナシパイさんは「ここでは電話が主流。だからネットがなくても、電話回線があれば困らないの。ただ、あなた(筆者)とつながるときに電話番号だけだと(番号が変わったときに)とても不便ね」と、フェイスブックやインスタグラムで簡単につながれるツールにあこがれを抱く。

ケニア南西部にあるマサイマラ国立保護地区。キリンやシマウマ、ゾウがあちらこちらで見られる。ワンジャラさんに案内してもらった(7月21日、筆者撮影)

ケニア南西部にあるマサイマラ国立保護地区。キリンやシマウマ、ゾウがあちらこちらで見られる。ワンジャラさんに案内してもらった(2022年7月21日、筆者撮影)

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