富士山より高い&氷上を走るマラソンがインド・ラダックにあった! 気候変動のリアルを知って

世界一標高の高い氷上マラソンである「パンゴン湖氷上マラソン」に挑む参加者ら。2023年2月に開催(写真提供:チャンバさん)世界一標高の高い氷上マラソンである「パンゴン湖氷上マラソン」に挑む参加者ら。2023年2月に開催(写真提供:チャンバさん)

環境問題を知り尽くす

そこでチャンバさんが力を入れたのが大会のプレイベントだ。参加者は大会の10日前にラダックの主都レーに集合する。そこで標高に慣れながら、村々を訪問。ラダックの昔ながらの農法と水が少ない状況を見学する。

「アイスストゥーパ」(氷の仏塔)と呼ばれる人工的に作った30〜50メートルの氷山も訪れる。アイスストゥーパは春まで氷として残り、少しずつ溶けながら農業用水に使われる。乾燥した地域での水の確保の仕方を知ってもらうのだ。

レーからパンゴン湖辺に移った後は村でのホームステイだ。村人と一緒に数日生活して、ラダック人(チベット系の民族)の温かい人柄に触れる。そのあいだに寒さと標高に順応した参加者は10日後、心も身体も最高のコンディションでマラソンに挑むというわけだ。

大成功に終わった第1回パンゴン湖氷上マラソン大会。手応えをつかんだチャンバさんは、こう来年を見据える。

「人数が増えすぎて環境に悪影響が出ないようにしながら、来年は100〜200人規模の大会にしたい。フルマラソンも実施したい」

優勝したリグゼン・ギュメスさん。タイムは1時間54分24秒(ハーフ)だった(写真提供:チャンバさん)

優勝したリグゼン・ギュメスさん。タイムは1時間54分24秒(ハーフ)だった(写真提供:チャンバさん)

笑顔を見せる、主催団体であるラダック・アドベンチャー・スポーツ財団のメンバー。左からチャンバさん、パドマ・リグジンさん、リグジン・ミンギューさん

笑顔を見せる、主催団体であるラダック・アドベンチャー・スポーツ財団のメンバー。左からチャンバさん、パドマ・リグジンさん、リグジン・ミンギューさん

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