14歳で故郷を離れたルワンダ人女性、メイド・路上販売を経て仕立屋としてサバイバル

ルワンダの首都キガリ市にあるキミロンコ市場で服作りをしているオダ・ムヒムンドゥさん(22)。手にしているミシン1つで新天地に生きるルワンダの首都キガリにあるキミロンコ市場で服を仕立てるオダ・ムヒムンドゥさん(22)。笑顔がチャーミングだ。手にしたミシンひとつで新天地を生き抜く

チャンスはある

それでも仕立屋を続けるのは「疲れたら好きな時間に家に帰れるし、自由があるから」とムヒムンドゥさんは話す。また、メイドの仕事は月給1万5000フラン(約1800円)~2万フラン(約2400円)で天井がある。「だけど仕立屋は服が売れれば、たくさん稼げるチャンスはある」 

ムヒムンドゥさんが考える「客を増やす方法」は3つある。 

1つは、注文を受けたら質の高い服を作ること。固定客を増やすと同時に、彼らが友人に「この仕立屋はいいよ」と勧めてもらうことを目指す。 

2つめは、市場にやってきた人に声をかけ、注文につなげること。 

3つめは「祈ること」。ちなみにムヒムンドゥさんが信仰するのはキリスト教の「ペンテコステ派」。戒律が厳しいことで有名な宗派だ。ルワンダではペンテコステ派の女性信者はウィッグやエクステをつけることは禁止で自然の髪型をし、またロングスカートをはかなければならない。 

過酷な客の奪い合い 

キミロンコ市場には100以上の仕立屋が集まる。争奪戦は過酷だ。 

ムヒムンドゥさんは22歳で、しかも新入り。取材中にも、彼女の周りにたくさんの仕立屋が近寄ってきた。その中に「最も親しい友人」と名乗る中年の女性がいた。 

この女性は、ムヒムンドゥさんと日ごろから一緒に仕事をしているかのように振る舞い、彼女の顧客を横取りしようとしていた。仕立服を作るのに必要な採寸を勝手に始め、顧客が払う仕立て代までムヒムンドゥさんに代わって受け取った。

その後、この中年女性は赤の他人であることが発覚。顧客がクレームを入れたため、仕事はムヒムンドゥさんに戻ったが、この市場で生き抜くにはこうした横暴さに打ち勝つ強さが求められるといえそうだ。 

ムヒムンドゥさんの夢は、キミロンコ市場の中に「自分の店」をもつこと。場所代は1カ月2万フラン(約2400円)かかる。そこでたくさん稼いだらキガリに家を買い、故郷にいる両親を呼び寄せ、一緒に暮らしたい、と語る。 

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