「賄賂と殺人がはびこる学校に娘を通わせられない」、マシな教育求めコロンビアへやってきたベネズエラ難民

ジョネイリスさん(後ろ)とカミラちゃん。カミラちゃんは、お母さんのことが大好きだ(コロンビア・メデジンのエルポブラドで撮影)ジョネイリスさん(後ろ)とカミラちゃん。カミラちゃんは、お母さんのことが大好きだ(コロンビア・メデジンのエルポブラドにあるホテルで撮影)

怯えずに勉強できる

「困難はあっても、ここでは治安や賄賂を理由に教育を諦める必要がない」(ジョネイリスさん)。それでもコロンビアでの教育を望む背景には、子どもたちの未来を切り開く学校にまで影響を及ぼす、ベネズエラの深刻な経済破綻がある。

暮らしていけない給料しかもらえない教師らは、働く意欲を失くし、授業を放棄するケースは珍しくない。また大学の場合、教授らが学生に対して「お金を払わないと単位を与えないぞ」と脅すという。 

さらに、深刻な経済危機を受け、学校の治安の悪化も深刻だ。医学部に通っていた、ジョネイリスさんの友人の学生は病院で研修をしていた時、銃を持つ強盗の襲撃にあった。

「強盗は、学生を襲うだけでなく、教科書から設備まで全てを奪っていったらしい。レイプや殺人もあると聞く」(ジョネイリスさん)

こうした問題に悩まなくていいコロンビアで、「娘を大学に進学させたい」とジョネイリスさんは語る。カミラちゃんは人を手伝うことが好きで、将来は医者になりたいと口にするそうだ。

ジョネイリスさん一家の月収は約120万ペソ(約4万3000円)。生活は苦しく、現実は厳しい。だがジョネイリスさんは「10年先のことなんて誰もわからない。カミラは勉強が好きだから、コロンビアで大学を卒業できると信じている」と語る。

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