ガザ紛争から1年、「子どものおねしょが増えた」とセーブ・ザ・チルドレンが報告書

国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは7月8日、2014年に51日間に及ぶ激しい攻撃を受けたパレスチナ自治区ガザ地区に暮らす子どもたちの心理状態を調べた報告書「悪夢を生きる」を発表した。このなかで、子どもたちが日常的に夜尿症(おねしょ)をしたり、悪夢を見たりするなど、精神的な苦痛に悩まされていることを明らかにした。報告書のポイントは下のとおり。

・調査対象となった子どもの75%が、これまでになかったおねしょに悩まされるようになった

・ガザ地区南東部のアル=ショウカ地域では、面談した子どもの半数が、毎晩おねしょをしている

・保護者の89%が、自分の子どもが常に何かにおびえていると報告した。70%以上の子どもが、次の紛争が怖いと証言している

・面談した子どもの70%はたびたび悪夢に悩まされている

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン海外事業部の村田あす香氏は「今年(15年)1月に、子どもたちが置かれる状況やニーズの調査を実施した際、保護者や教員から『子どもはちょっとした物音にも怯え、雷などの大きな音でパニックに陥ってしまう』との声が聞かれた。また、口数が少なくなったり、友だちと遊ばずに孤立したり、勉強に集中できなくなった子どももいる」と話す。

14年に起きた紛争でガザ地区では子ども551人が死亡、3436人が負傷した。約1500人が親を失った。紛争から1年が経った今も約10万人が住む家を失ったままだ。病院や学校、給水設備なども復旧も本格的に始まっていない。

今回の調査は15年3月に、紛争の被害を受けたガザ地区の8地域で413人の子ども、352人の母親、ソーシャルワーカー、教師を対象に実施したもの。