セーブ・ザ・チルドレンがポストMDGsで「12のゴール」を発表、2030年までに「貧困根絶」を

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国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは4月28日、今の世代で貧困に終止符を打つための道筋を示した「未来への枠組み」と題する報告書を発表した。このなかで、2015年に達成期限が切れるミレニアム開発目標(MDGs)の後の「2030年までに、私たちが目指す世界」として12のゴールと49のターゲットを提示した。不平等やジェンダー、子どもへの暴力、ガバナンスの透明性確保など、MDGsでは取り組みが不十分だった分野を網羅したのが特徴。

12のゴールは下のとおり。

・ゴール1:極度の所得の貧困がなくなり、経済成長の恩恵がすべての人々に共有される

・ゴール2:誰一人として飢餓に苦しむことなく、すべての人が食料、栄養、安全な水を得られる

・ゴール3:予防可能な妊産婦、新生児、乳幼児の死亡をなくし、すべての人が資金的困難に陥ることなく質の高い保健医療サービスを受けることができる

・ゴール4:すべての子どもと若い人が質の高い教育を衡平に受けることができ、優れた学習成果を得られる

・ゴール5:すべての子どもが暴力のない生活をおくり、紛争と災害下では保護され、安全で家庭的な環境で成長する

・ゴール6:女性と女児がエンパワーされ、男性や男児と平等の権利を持つ

・ゴール7:すべての人が資源効率が高く低炭素のエネルギーにアクセスできる

・ゴール8:すべての社会が災害に対して強靱である

・ゴール9:すべての人が持続可能で、健全かつ強靭な環境を享受できる

・ゴール10:世界が危険な気候変動を回避する方向に向かい、気候変動の影響に対する脆弱性が削減される

・ゴール11:あらゆるレベルで透明で、包摂的で、説明責任を果たすガバナンスが実現する

・ゴール12:強固なグローバル・パートナーシップにより持続可能な人間開発が前進する

世界では毎日1万8000人の5歳未満児が命を落としている。子どもの4分の1は、自身または母親の栄養不良が原因で発育阻害だ。また5700万人の子どもは学校に通っていない。

こうした現実に対してセーブ・ザ・チルドレンは「大きな野心があれば、国際社会は今の世代のうちに、子どもたちが予防可能な原因で亡くなることのない・空腹のまま夜の眠りにつくことのない・教育を受けられずに大人になることのない世界を実現できる。そのためには世界の指導者が平等の実現を優先課題とする必要がある」と訴える。

(堤環作)