WFPサポーターの EXILE ÜSAさん、「おいしいダンス」で飢餓ゼロ目指す

東京・渋谷の国連大学で開かれたイベントで、おいしいダンスをみんなと一緒に踊るEXILEのÜSAさん。毎月5000円を寄付するWFPのマンスリーサポーターでもある東京・渋谷の国連大学で開かれたイベントで、おいしいダンスをみんなと一緒に踊るEXILEのÜSAさん。毎月5000円を寄付するWFPのマンスリーサポーターでもある

人気ダンスグループEXILEのメンバーで国連世界食糧計画(WFP)のサポーターでもあるÜSAさんはこのほど、8月に視察した中米ホンジュラスの報告会「EXILE ÜSA、ゼロハンガーに向け出航!〜ホンジュラスの支援現場より〜」(主催:WFP)に登壇し、会場となった都内の国連大学に来場した約200人と一緒に踊った。踊りの名前は「おいしいダンス」。ホンジュラスの子どもたちに「おいしいって何?」と問いかけ、イメージを膨らませて作った。

おいしいダンスとは、おにぎりをパクパクする動きや、箸と器を持って麺を食べる動き、両手をお腹に当ててお腹いっぱいの素振りをしたりして「おいしい」を表現したもの。おいしいダンスを踊るときに着た、8個の白抜きの星と1個の白い星を描いたTシャツはÜSAさんがデザインした。飢餓ゼロの「0」と9人に1人が飢餓である世界の現実を表している。Tシャツの販売価格は3100円。売り上げの一部をWFPに寄付している。

ÜSAさんは2006年に「ダンスは世界共通言語」と題した個人プロジェクト「DANCE EARTH」を立ち上げ、世界約20カ国の貧しい子どもたちにダンスを教えてきた。このプロジェクトを始めるきっかけとなったのは、インドのバラナシで物ごいの子どもたちがより哀れに見えるよう、手足を切り落とされたり、盲目にさせられたりする現実を知ったことだ。「物ごいの子たちがストリートダンスチームを作ってお金を稼げたら、手足を切り落とされずに済んだかもしれない。貧困から抜け出すチャンスになるかもしれないと思った」(ÜSAさん)

ÜSAさんは2018年7月、WFPのサポーターになった。ミッションは、ダンスを武器に飢餓ゼロの支援者を増やすこと。「飢餓ゼロは簡単ではないけれど、不可能ではない。みんなが本気になれば絶対に実現できる。ダンスが役に立つのなら、週一は無理でも、どこにでも飛んでいく。(WFPサポーターによる)ダンスチームができたら最高」と夢を描く。

WFPによると、世界の飢餓人口は2017年時点で8億2100万人。割合にして世界人口の9人に1人だ。ホンジュラスのごみ捨て場や小学校、山間部の農家を視察した感想としてÜSAさんは「(日本で)おいしいものを食べていても、(途上国で)誰かが飢えで苦しんでいたら、本当においしいと感じない。飢餓ゼロになったら、本当においしいって思えるんだろうな」と話した。飢餓ゼロの活動を寄付で応援することは「自分のおいしいにもつながる」というのがÜSAさんの持論だ。

WFPは寄付を使って途上国の学校に給食を提供する。ホンジュラスのごみ捨て場付近で暮らす子どもたちはかつて、東京ドームほどの巨大なごみ山で1日中ごみを拾い、リサイクルできるものを業者に渡して1日5ドル(約550円)を稼いでいた。ところが学校で給食が出るようになって、子どもたちは学校へ通い始めた。ごみを拾う時間は授業の前後の数時間に減ったという。「学校に行こうという意識が生まれたことは、すごくいいこと。貧困から抜け出すきっかけにもなる」とÜSAさんは話す。