「バス代払えないから2割の子どもが小学校に通えない」、コロンビア貧困地区の過酷な現実

サンドラさんの運営するNGO「コアパス」とサンドラさん(右)。左の奥に見えるのが図書スペース。ここを拡張してコミュニティスクールを開きたいというサンドラさんの運営するNGO「コアパス」とサンドラさん(右)。左の奥に見えるのが図書スペース。ここを拡張してコミュニティスクールを開きたいという

貧しくても学べるように

サンドラさんがアヒサルでこれまでに実現したのは、アヒサルで初めてとなる図書スペースの開設、子どもたちの空腹を満たすための食料の配給、レクリエーションと教育を融合させたイベントの開催などだ。

しかし、彼女の挑戦はここでは終わらない。さらなる夢は、小学校に行けない子どもたちも交通費を気にせず通えるコミュニティスクールを設立することだ。

「現在の図書スペースを拡張して、15人ほどが週末に学べる教室を作りたい。先生は行政から手配してもらえることになったから、あとは改築や教材のための資金だけだ」

算数やスペイン語、テクノロジーの授業まで小学校の学習内容を総合的に学べるだけなく、子どもたちがお腹を空かせず学べるようにコミュニティレストランの併設も検討中だ。

コアパスはこれまで、LEGOをはじめとする欧州の企業や、コロンビアの有名な洋服ブランドからも支援を受けてきた。目下のところ、コミュニティスクールの資金の調達に動いているところだ。

「全ての子どもが小学校に通えることが理想。だが残念なことに就学機会には差がある。それならば、少しでも学校と変わらない教育をコアパスがアヒサルで提供したい」

コロンビア西部のアンティオキア県イタグイ市アヒサル地区は、メトロのアジュラ駅からバスで30分ほどの場所にある。山の斜面にあり、少しの移動でも息が切れるほど大変だが、現地の子どもたちは軽々と走り抜けていく

コロンビア西部のアンティオキア県イタグイ市アヒサル地区は、メトロのアジュラ駅からバスで30分ほどの場所にある。山の斜面にあり、少しの移動でも息が切れるほど大変だが、現地の子どもたちは軽々と走り抜けていく

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