ミャンマー民主化運動を支えるソーシャルビジネス、ヤンゴン在住ミャンマー女性が立ち上げたわけ

年配のミャンマー人女性が手編みした一点もののコットンバッグ。ひとつひとに「民主化」への思いを込め、作ったという。収益の3割が「CDM」(クーデターを起こしたミャンマー国軍に対して、公務員などが職務をボイコットして抵抗する市民不服従運動)の参加者への寄付となる年配のミャンマー人女性が手編みしたカラフルなコットンバッグ。すべて一点もの。ひとつひとつに「民主化」への思いを込めて作ったという。収益の3割が「CDM」(クーデターを起こしたミャンマー国軍に対して、公務員などが職務をボイコットして抵抗する市民不服従運動)の参加者への寄付となる

「ソーシャルビジネスの手法を使って、ミャンマーの民主化運動をずっと支え続けたい」。これは、ヤンゴン在住のミャンマー人女性の言葉です。彼女たちの思いを形(プロジェクト)にしようと、ganasも協力し、オンラインショップで売り出したのが、蓮100%のストールをはじめとするミャンマー商品の数々。

ganas編集部は、このプロジェクトの仕掛け人であるミャンマー人女性、彼女と一緒に活動するCDM(クーデターを起こしたミャンマー国軍に対して、公務員などが職務をボイコットして抵抗する市民不服従運動のこと)参加者をインタビューしました(安全を考慮して名前は伏せます)。

収益の3割を民主化運動に寄付

――具体的にどんなソーシャルビジネスを手がけていますか。

「扱う商品は、手編みのコットンウールバッグ(以下、コットンバッグ)、蓮とコットンのリバーシブルの帽子、伝統的な折り機で作った蓮100%のストールの3つです。

夏休みにピッタリなのは、カラフルなコットンバッグ、蓮とコットンの帽子です。蓮100%のストールは日本の秋にちょうど良いかもしれません。

どの商品を購入していただいても、収益の3割は、CDMに参加する人たちへの寄付となります。またこれとは別に、作り手などへの報酬も当然払いますので、民主化回復だけでなく、一般のミャンマー人の生活を助けることにもつながります(プロジェクトの詳細はこちら)」

――コットンバッグを作ろうと思いついたのはなぜですか。

「きっかけとなったのは、半年前の冬に手編みのニット帽を作ったことです。ニット帽は、国軍の空爆を受け、ミャンマー北西部のチン州と東部のカヤー州で国内避難民となった人たちに送りました。

このときの元手は、ganasが開講するチャリティ英語プロジェクト『英語をしゃべってミャンマー人を救え!』というプログラム』(第2期はこちら)で得た寄付金を使いました。

寄付金を国内避難民にそのまま渡さなかったのは、ニット帽を間に挟んだほうが一石二鳥になると考えたからです。CDMに参加する人たちに『ニット帽を編む仕事』をしてもらい(対価を払い)、国内避難民の人たちに完成したニット帽で少しでも寒さを凌いでもらえたら、と。

このアイデアを発展させて、ニット帽は日本でも売りました。嬉しいことにあっという間に完売。みんなで喜びあいました」

――今回はなぜ、ニット帽をやめてコットンバッグに。

「冬が終わったからです。夏にお出かけするときにちょうど良いものはないかな、と頭を絞りました。そこで思いついたのが、カラフルなコットンバッグ。コロナ禍で気分がふさぎこんでいても、明るいバッグを腕にかければ楽しくなりますよね。しかもすべて一点ものです。

コットンバッグの素材は、ミャンマーのコットンウールを使ったものとタイのコットンウールを使ったものの2種類があります。違いは、ミャンマーのほうがソフトで、タイのほうがしっかりしていること。水筒やお弁当など、重さがあるものを入れるならタイコットンのバッグのほうがお薦めです(ミャンマーコットンのバッグは完売済み)」

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